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18歳の新入社員を受け入れる。大卒中途しかいない店舗で何を変えるか

高卒で登録販売者候補や事務スタッフを採用した会社から、入社後しばらくして「思ったより手がかかる」という声を聞くことがあります。ただ、その多くは本人の資質の問題ではなく、受け入れ側がこれまで大卒・中途の人しか迎えたことがなく、教え方の前提がずれていることに起因します。中途採用が中心の店舗では、あいさつ、電話の取り方、報告の仕方といった「教えるまでもない」とされてきた領域が、そもそも指導項目として存在しません。

18歳の新入社員にとっては、その存在しない項目こそが最初の壁になります。この記事では、高卒で入社したスタッフを迎えるにあたって、最初の1ヶ月の組み立て、指導役の置き方、学校との連絡、資格取得と勤務の両立という4点を整理します。採用の入口側のルールについては高卒採用の「一人一社制」とは。初めての企業がつまずくルールを整理するを参照してください。

社会人経験ゼロを、能力ではなく情報量の差として扱う

中途入社なら、前職で身につけた暗黙のルールを持ち込めます。始業何分前に来るか、体調不良のときは誰にどう連絡するか、来客にどう声をかけるか。18歳の新入社員はこれらを一つも持っていません。足りないのは能力ではなく、社会人として共有されている前提の情報量です。

ここを混同すると、「言われないと動かない」という評価が早い段階でつきます。実際には「言われていないから分からない」だけであることが多く、一度言語化して渡せば数週間で追いつきます。逆に、教えないまま評価だけが下がっていくと、本人は理由の分からない居心地の悪さを抱え、辞める理由が「なんとなく合わない」になります。

最初の1ヶ月は、業務より先に「働き方」を置く

入社直後からレジ操作や商品補充を詰め込みたくなりますが、業務手順は後からでも吸収できます。先に渡したいのは、職場で動くための基本動作です。

時期中心に置くこと具体例
1週目職場で過ごす型出退勤の手順、休憩の取り方、欠勤・遅刻の連絡先と連絡方法、名札・身だしなみの基準
2週目人への対応あいさつと声の大きさ、お客様への基本の言い回し、電話の受け方と取り次ぎ、分からないときの聞き方
3週目定型業務レジ、品出し、清掃、売場の位置、医薬品を扱う売場での「触れてよい範囲」
4週目報告と記録誰に何を報告するか、引き継ぎメモの書き方、1ヶ月の振り返り面談

電話対応は特につまずきやすい項目です。固定電話を日常的に使ったことがない年代であることを前提に、取り次ぎの言い方を紙に書いて電話機の横に置く、最初の2週間は隣に立って一緒に受ける、といった段取りを決めておくと負荷が下がります。到達基準を先に決めておく考え方は入社3ヶ月で辞められる薬局。最初の90日にやることを決めておくでも扱っています。

業務以前の指導を誰が担うかを決めておく

敬語や電話対応の指導は、担当を決めないと誰もやらないか、気づいた人が都度注意する形になります。後者は本人から見ると「いろいろな人から違うことを言われる」状態になり、萎縮につながります。

指導役は業務指導とマナー指導を分けてもかまいません。業務は店舗の責任者や経験の長いスタッフ、業務以前の部分は年齢が近い先輩、という組み方もあります。決めるべきは次の3点です。

  • 誰が指導役か(本人にも店舗全体にも明示する)
  • 指導に使う時間を、シフト上どこに確保するか
  • 指導役の負担を、評価や手当でどう扱うか

指導を「善意でやってもらうもの」に留めると続きません。週に何分をその時間に充てるかまで決めて、店舗の人員計画に織り込んでおくことをおすすめします。

20歳以上離れた店舗で、相談相手をどう置くか

高卒入社のスタッフが配属される店舗に、年齢の近い社員がいないことは珍しくありません。同年代がいない環境そのものはすぐには変えられないため、相談先を役割として配置します。

一つは、店舗内の指導役とは別に、本部や他店舗に「業務の評価に関わらない相談先」を置く方法です。月1回10分でも、店舗の外の人と話す時間があると、辞める前に兆候が拾えることがあります。もう一つは、入社1〜3年目の先輩を他店舗から月1回呼ぶ、あるいはオンラインでつなぐ方法です。同期がいない前提での設計は新卒を1人だけ採る会社の受け入れ。同期がいない前提で設計するでも整理しているので、あわせて参考にしてください。

学校の担任との連絡は、入社後も一定期間続ける

高卒採用は学校を経由して進むため、入社後も進路指導部や担任が本人の様子を気にかけていることが多くあります。企業側から状況を伝えておくと、本人が学校に相談したときに話がかみ合い、早期離職の兆候を共有できる場合があります。

タイミング伝える内容手段の例
入社直後無事に入社した旨、配属店舗、指導役電話または書面
入社3ヶ月ごろ慣れ具合、任せている業務の範囲訪問または電話
入社1年ごろ1年間の経過、次年度の求人予定訪問

連絡の期間は1年程度を一つの区切りにし、それ以降は次年度の求人の相談に切り替えていく形が扱いやすいでしょう。なお、本人の個人的な事情や評価の詳細をどこまで共有するかは本人の同意を前提とし、伝える範囲を事前に決めておいてください。学校との関係づくり全般は登録販売者を高卒採用で確保する。一人一社制のルールと進め方にまとめています。

資格取得の勉強と勤務を、シフトで支える

登録販売者を目指す場合、働きながら試験勉強を進めることになります。「勉強は自分で」と本人任せにすると、勤務で疲れて手がつかず、不合格が続いて意欲が落ちるという流れになりがちです。

シフト面では、試験日から逆算して直前期の連勤を避ける、週に1コマ勉強時間を勤務内に置く、受験当日と前日を休みにする、といった調整が考えられます。費用面では、受験手数料やテキスト代の負担、合格後の手当をどう扱うかを先に決めておきます。試験の実施時期や受験資格、販売従事登録の要件は地域や年度によって扱いが変わるため、最新の実施要領を必ず確認してください。

支援内容を決めたら、翌年以降の募集文にもそのまま書けます。すでにやっていることを訴求に変える手順は研修・資格取得支援を採用の訴求にする。中小でも書けることの探し方を参考にしてください。

受け入れ設計は、採用を決める前から考える

ここまで挙げた項目は、入社日が近づいてから慌てて決めるには量が多すぎます。求人票を学校に出す段階で、指導役、最初の1ヶ月の内容、資格支援の中身がおおむね決まっていると、職場見学や面接でも具体的に説明でき、入社後のずれが小さくなります。

高卒採用は学校ルールへの対応と、入社後の育成設計がセットで初めて機能します。自社の店舗体制でどこまで組めるか判断がつかないときは、支援プランをご覧ください。無料相談(約30分〜・オンライン)で、採用計画と受け入れ設計をご一緒に整理します。

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