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同じ薬剤師が紹介会社からも自社サイトからも応募してきた。重複応募の扱いを先に決める

紹介会社から届いた薬剤師の経歴書を開いたら、先月自社サイトから応募があって「一度お話ししましょう」と返信したままになっていた人だった。あるいは、面接まで進んだ候補者について、後から別の紹介会社が「弊社の紹介者です」と連絡してきた。どちらも、採用チャネルを複数持っている会社では起こりうる場面です。

このとき争点になるのは「誰が先にこの人を紹介したか」です。紹介手数料は決して小さくない金額になるため、後から記憶と印象だけで話し合っても決着しにくくなります。そして何より、企業と紹介会社が調整している間、当の候補者が宙に浮いてしまう。重複応募は、起きてから考えるのではなく、起きる前に扱いを決めておく類のものです。

重複応募はなぜ起きるのか

転職を考えている薬剤師は、複数の紹介会社に登録しつつ、気になる会社は自分でも検索します。求人媒体で見つけた会社を紹介会社に相談することもあれば、紹介会社から提案された会社の採用ページを見て、そこから直接応募することもあります。候補者にとっては自然な行動で、ルール違反でも何でもありません。

企業側から見ると、同じ人が別々の入口から現れます。自社サイト、求人媒体、ハローワーク、紹介会社A、紹介会社B、社員からの紹介。入口ごとに担当者が違い、記録の場所も違えば、同一人物だと気づかないまま選考が二重に走ることさえあります。

応募受付の時点で記録する項目

防ぐための土台は、応募を受けた瞬間の記録です。後から作れない情報は「いつ」「どこから」の二つで、これが残っていれば議論の大半は事実確認で終わります。

記録項目何のために必要か
氏名・生年月日同一人物かの照合。氏名だけでは同姓同名の判別がつかない
初回接触日(時刻まで)先行応募かどうかの判定に直結する
経路自社サイト/媒体名/紹介会社名/社員紹介などを具体名で
紹介元の担当者名後で確認を取る相手を特定できる
初回の対応内容と担当者返信済みか、面談日程まで進んだかで扱いが変わる
過去の応募歴の有無数年前に応募・不採用の履歴がある場合がある

この記録は専用システムでなくても構いません。応募者を一覧で管理する最小の仕組みについては応募者を表で管理する。選考中の取りこぼしをなくす最小の仕組みで整理しています。重要なのは、入口が複数あっても記録の置き場所は一つにすることです。窓口が分散していると、照合そのものができません。

契約書のどこを見るか

紹介会社との契約には、こうした場面を想定した条項が置かれていることが多くあります。締結時に読み流していることが少なくないので、平時のうちに確認しておきます。

確認する箇所見るポイント
先行応募・既応募者の扱い自社で既に接触していた候補者を紹介対象外とする規定があるか。何をもって「既応募」とするか
有効期間紹介を受けてから一定期間内の採用を紹介成立とみなす規定。期間の長さと起算日
複数社からの重複紹介先に紹介した側を優先するのか、書面到達の先後で決めるのか
通知義務既応募だった場合に企業側がいつまでに連絡するか
返金・返戻の条件早期退職時の扱い(重複とは別論点だが同じ条項群にあることが多い)

契約の文言は会社ごとに異なり、最終的な解釈は書面と紹介元への確認に委ねるほかありません。自己判断で「うちが先だから支払わない」と決め打ちせず、記録を示して事実ベースで相談する姿勢が現実的です。紹介会社は競合ではなく、席を埋めるチャネルを一緒に運用するパートナーです。ここで関係を損なうと、次の紹介が止まります。チャネル全体の組み立ては紹介会社の手数料が重い。紹介依存を下げるための採用チャネルの組み立て方も参考になります。

重複が判明したときの連絡の順番

気づいた時点で、順番を間違えないことが大切です。候補者を巻き込んで「どちらから応募したことにしますか」と尋ねるのは避けます。候補者に責任のない話で、不信感につながりやすいためです。

  1. 社内で記録を突き合わせ、初回接触日と経路を確定させる
  2. 選考は止めない。日程が決まっているなら予定どおり進める
  3. 紹介元の担当者に連絡し、事実を伝えて扱いを相談する
  4. 二つの経路で別々の連絡が候補者に届いていないか確認し、窓口を一本化する
  5. 候補者へは「選考の連絡は今後こちらから差し上げます」とだけ伝える

候補者に伝えるのは連絡窓口の変更までで、手数料の話は持ち込みません。選考が止まると他社に決まります。応募後の初期対応の設計は応募後に連絡が取れない・面接に来ない。一次接触の設計を見直すで扱っています。

起きる前に社内で決めておく三つ

  • 応募の受付窓口と記録先を一つにする(店舗で受けた問い合わせも本部に集約する)
  • 紹介依頼時に「既応募者の扱い」を口頭でも確認しておく
  • 重複が判明したときに誰が紹介元へ連絡するかを決めておく

紹介会社への依頼段階で共有しておく情報については人材紹介会社に薬剤師の求人を出すとき、最初に何を伝えるかにまとめています。

重複応募は、チャネルを複数持っている証拠でもあります。記録と連絡順を先に決めておけば、トラブルではなく事務処理として片づけられる場面がほとんどです。

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