選考スピードを設計する。薬剤師の中途採用で条件を変えずに歩留まりを上げる
薬剤師の中途採用で、条件を変えずに結果を動かせる打ち手があります。選考スピードです。
候補者はほぼ全員が複数社を並行して見ています。返信が1日遅れれば、その間に他社の面接が進みます。給与を上げるより先に、ここを直したほうが費用もかかりません。
遅れは「担当者の怠慢」ではなく設計の問題
選考が遅れる原因を担当者の対応の遅さに求めても解決しません。多くの場合、遅れは次のような構造から生まれています。
- 応募の通知が誰に届くか決まっていない
- 面接の日程を出せるのが特定の1人だけ
- 合否の判断に決裁者の同席が必要で、その人が忙しい
- 決裁者が不在のとき、代わりに進められる人がいない
- 条件提示に経営判断が必要で、都度相談している
いずれも個人の努力では埋まりません。事前に決めておけば消える遅れです。
各工程に日数の基準を置く
まず、応募から内定までを工程に分け、それぞれに「何日以内」を決めます。
| 工程 | 決めること |
|---|---|
| 応募 → 初回連絡 | 何時間以内に、誰が、どの手段で |
| 初回連絡 → 面接日程確定 | 何日以内に、誰が日程を出すか |
| 面接 → 合否連絡 | 何日以内に、誰が判断するか |
| 合否 → 条件提示 | 何日以内に、どこまでの範囲なら現場判断でよいか |
| 内定 → 入社 | 現職の退職手続きを含め、どこまで待てるか |
数字は自社の実績から決めてください。過去の応募で実際に何日かかったかを並べると、どの工程が詰まっているかがすぐ分かります。
代理ルートを先に決めておく
基準を決めても、判断する人が不在なら止まります。そこで工程ごとに**「この人が不在のときは誰が代われるか」**を書き出しておきます。
特に決めておきたいのは条件提示の裁量です。「この範囲なら現場判断で提示してよい」という枠を先に決めておけば、都度の経営判断が不要になります。枠を超えるときだけ相談する形にすれば、大半の候補者は止まらずに進みます。
初回連絡は「早さ」そのものが情報になる
応募直後の連絡は、内容よりも早さが効きます。候補者にとって、返信の速さは次のように受け取られます。
- 自分に関心を持ってくれている
- 組織の意思決定が速い
- 入社後も物事が滞らなそうだ
逆に数日空くと、応募したこと自体の熱が下がります。選考スピードは、条件以外の「選ばれる理由」の一部として機能します。 この観点は薬剤師の中途採用で「条件以外の選ばれる理由」をつくる方法にも書いています。
紹介会社経由でも同じ、むしろ影響が大きい
人材紹介会社を使っている場合、選考スピードの影響はさらに大きくなります。紹介会社のコンサルタントは複数の求人を同時に扱っており、返信が早く選考が滞らない企業を優先して候補者に勧めます。 決まりやすい求人を優先するのは自然なことです。
つまり選考スピードを整えることは、紹介会社に自社を推してもらうための条件でもあります。紹介経由で決まらない場合の原因の切り分けは紹介会社から候補者は来るのに決まらない。原因は企業側にありますを参照してください。
速さと丁寧さは両立する
スピードを上げると雑になるのではないかという懸念はもっともです。ただし速さと丁寧さは別の軸です。
- 速いが雑 — 定型文だけ、面接も形式的
- 遅いが丁寧 — 内容はよいが他社に決まっている
- 速くて丁寧 — 連絡は早く、面接では伝えるべきことを伝える
目指すのは3つ目です。何を伝えるかを事前に決めておけば、速くても中身は薄くなりません。準備していないから時間がかかるのであって、その逆ではありません。
まとめ
工程ごとに日数の基準を置き、判断者の代理ルートを決める。それだけで、条件を変えずに歩留まりが動きます。まずは直近の応募が実際に何日かかったかを並べてみてください。
薬剤師の中途採用支援では、この選考設計から一緒に進めます。現状の数値をお持ちの状態で無料相談(約30分〜・オンライン)にお越しいただくと、詰まっている工程の特定まで一度でできます。