出店計画から採用人数を逆算する。ドラッグストアの採用計画のつくり方
ドラッグストアの採用が難しいのは、必要な人数が「今の店舗数」ではなく「これから開ける店舗数」で決まるからです。出店が決まってから採用を始めると、ほぼ間に合いません。
間に合わないまま開店日が近づくと、既存店から人を抜くことになります。抜かれた店舗は手薄になり、そこで疲弊した人が辞める。出店のたびに既存店が弱るという構造は、多くの企業が経験しているはずです。
逆算の起点は「1店舗あたり何人か」
まず、新規1店舗を回すのに必要な人員を職種別に定義します。ここが曖昧なままだと、そもそも逆算ができません。
| 項目 | 決めること |
|---|---|
| 薬剤師 | 調剤併設か否か、営業時間、必要人数 |
| 登録販売者 | 開店時間帯をカバーするのに何人必要か |
| 店長・店長候補 | 内部登用か外部採用か |
| パート・アルバイト | 時間帯別の必要人数 |
このうち店長候補がボトルネックになりやすい点は先に押さえておいてください。薬剤師や登録販売者は採用で埋められますが、店長は育成に時間がかかるためです。
次に「いつまでに入社していればいいか」を決める
開店日から逆算します。開店日に入社では遅く、研修と店舗の立ち上げ準備の期間が必要です。
- 開店日
- ← 店舗立ち上げ準備(什器、品出し、オペレーション確認)
- ← 研修期間(自社の教育プログラムの長さによる)
- ← 入社日
- ← 内定から入社までの期間(現職の退職手続きを含む)
- ← 選考期間
- ← 募集開始
この鎖のどこか1つでも見積もりを誤ると、開店日に人が揃いません。自社の実績値で埋めてください。 一般的な相場ではなく、過去の出店で実際にかかった日数が最も正確な材料です。
新卒と中途は役割が違う
出店計画に対して、新卒と中途は担う役割が異なります。
中途 — 開店に間に合わせるための人員。入社時期を調整しやすく、即戦力になります。ただし採用単価は高く、直前の大量採用は難しいです。
新卒 — 数年後の店長候補の母集団。入社時期は固定ですが、まとまった人数を計画的に確保でき、自社のやり方で育てられます。
つまり今年の出店は中途で、3年後の出店は新卒で埋めるという二階建ての計画になります。片方だけでは、どちらかの時期で必ず詰まります。
新卒側の年間スケジュールの組み方は薬局・ドラッグストアの新卒採用、何から始めればいいかにまとめています。登録販売者を高卒で採る場合の進め方は高卒採用の「一人一社制」を理解するを参照してください。
出店計画は変わる。それでも計画は要る
「出店計画自体が動くので採用計画は立てられない」という声はよく聞きます。実際そのとおりです。
ただし、変わるのは出店の時期と場所であって、1店舗あたりに必要な人数は変わりません。後者を確定させておけば、出店計画が動いたときに採用計画を引き直すのは計算するだけになります。逆にここが未定だと、出店が決まるたびにゼロから考えることになります。
採用が追いつかないときに削ってはいけないもの
計画に対して人が足りないとき、真っ先に削られるのが研修期間です。しかし研修を削ると、立ち上がりの遅さと早期離職という形で後から返ってきます。
削るべきは研修ではなく、選考にかかっている無駄な日数です。応募から初回連絡までの時間、面接日程の調整、内定の承認ルート。ここを詰めるほうが、研修を削るより効きます。
まとめ
出店計画から人数を逆算し、中途で直近を、新卒で数年後を埋める。1店舗あたりの必要人数を先に確定させておけば、出店計画が動いても採用計画は引き直せます。
ドラッグストアの採用支援では、この逆算表づくりから一緒に進めます。出店計画をお持ちの段階で無料相談(約30分〜・オンライン)にお声がけください。