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社長が会うのは何回目がいいか。経営者面談の置きどころ

社長が出てくるのは最終面接、というのが多くの会社の暗黙の型になっています。ただ中小の薬局・ドラッグストアでは、この置き方が機能しないことがあります。最終に置くと、候補者にとっては「最後の関門」になり、構えた受け答えしか返ってきません。経営者の側も合否を判断する立場になるため、口説く話がしづらくなります。

一方で、一次に経営者が出ると今度は別の問題が起きます。候補者が本当に知りたいのは、入る店舗の人数、処方科目、残業の実態といった現場の情報です。会社の方向性を語られても、判断材料にはなりません。経営者との距離の近さは中小の強みですが、その強みをどの回次で、何のために使うかを決めていないと、使いどころを外します。

最終面接に置いたときに起きること

最終面接が社長面接という形になっていると、候補者は「まだ落ちる可能性がある」という前提でその場に臨みます。この状態では、本音の迷い(他社と比較している、配属に不安がある、家族の事情がある)は出てきません。出てこない以上、こちらから手の打ちようもありません。

さらに、経営者が合否の判断者を兼ねていると、現場の評価が覆る場面が出てきます。店長や管理薬剤師が時間をかけて見た結果を、最後の30分で上書きする運用が続くと、現場は面接に本気で関わらなくなります。評価軸をそろえる話は店長・管理薬剤師が面接官をする会社で、評価がぶれないようにするでも扱っていますが、誰が合否を決めるのかを先に決めないと、面接官を増やすほど判断がぶれやすくなります。

合否は現場、経営者は口説きと約束の確認

提案したい配置は単純です。合否は現場が決める。経営者は、合否がほぼ固まった後に、口説きと約束の確認のために会う。

具体的には、最終面接の「後」か、最終面接と同日の後半に経営者の時間を置きます。候補者には事前に「選考ではなく、代表から会社の方向をお話しする時間です」と伝えます。選考ではないと分かった候補者は、迷っている点を口にしやすくなります。

回次担当目的合否の判断
一次採用担当・店長経歴と希望条件の確認、現場の実態を伝えるする
二次(または見学)配属先の管理薬剤師働き方の相性、業務範囲のすり合わせする
経営者面談代表会社の方向、採る理由、任せたい範囲を伝えるしない
条件提示採用担当書面で条件を提示し、期限を伝える—

小規模で一次から店長が出られない場合は、経営者が一次に出ること自体は問題ありません。その場合でも、後半に現場の人間が必ず同席し、店舗の実態を答える役を分けておくと、候補者の不安は減ります。

経営者が話すべき3つのこと

経営者面談の時間は、30分前後で足ります。話す内容は3つに絞ると組み立てやすくなります。

1つ目は、会社がどこへ向かうのか。出店や在宅、新しい処方元との関係など、今後2〜3年で何を増やそうとしているかを、決まっている範囲で話します。決まっていないことは「まだ決めていない」と言ったほうが信頼されます。

2つ目は、この人を採る理由。「経験が十分だから」ではなく、面接で聞いた具体的な話を引いて伝えます。前職で在宅を立ち上げた経験、患者への説明の仕方、ブランクからの復帰に向けた準備。選考の記録を読んだうえで話すと、ここは数分で済みます。

3つ目は、任せたい範囲。どの店舗で、最初の半年は何をしてもらい、その先に何を任せたいのか。規模の小さい会社で出せる裁量の話は中小薬局が大手チェーンとの採用競争で勝てる場所はどこかで整理していますが、経営者の口から具体的に語られると、同じ内容でも受け取られ方が変わることが多いです。

話してはいけないこと

経営者面談で崩れるパターンは、たいてい「その場でよかれと思って言ったこと」から始まります。

言いがちなこと起きること置き換え
「あと3万なら出せます」条件が面談の場で動く前例になり、既存社員との整合も崩れる「条件は担当から書面でお出しします」
「数年で管理薬剤師をお願いしたい」時期と基準が曖昧なまま期待だけが残る「管理薬剤師の候補として考えています。到達の目安は入社後に一緒に決めます」
「残業はほとんどありません」実態とずれると入社後3ヶ月で表面化する「月によって差があります。直近の実績は担当から数字でお伝えします」

条件の話をその場でしないことは、冷たい対応ではありません。金額や手当の内訳は、書面で提示したほうが候補者も家族と相談できます。提示の進め方は薬剤師への条件提示で失敗しない。オファー面談で決めておくことに分けてあります。経営者面談では、条件の話が出たら「そこは別の場で、書面でお出しします」と受け止めるだけにとどめます。

新卒と中途では置きどころが変わる

中途は、選考期間が短く、在職中の候補者が多いため、経営者面談を独立した1回にすると日程調整が1〜2週間伸びることがあります。最終面接の後半30分に同席する形か、条件提示の場に同席する形のほうが、スピードを落とさずに済みます。

新卒は逆で、接触回数そのものが意思決定を支えます。説明会で経営者が5分だけ話し、最終段階でもう一度1対1で会う、という二段構えにすると、学生は「会社の規模ではなく人で選んだ」と言語化しやすくなります。内定後に他社と迷う段階での再接触も、経営者が担うと効くことがあります。この局面の材料の出し方は他社と迷っている候補者に、最後の一押しで何を出すかにまとめています。

面談の前後で決めておく運用

経営者面談を機能させるには、前後の2点を決めておくと動きやすくなります。

ひとつは、面談の前に選考記録を経営者へ渡すこと。一次・二次で聞いた志望理由、迷っている点、確認したいと言われた項目を数行で共有します。これがないと、経営者は同じ質問を繰り返し、候補者は「情報が共有されていない会社」という印象を持ちます。

もうひとつは、面談で出た要望を誰が引き取るか。配属希望、入社日、勤務時間の相談などは、その場で結論を出さず、担当者が翌営業日までに回答すると伝えます。回答の期限を口頭で示しておくと、候補者の不安は小さくなります。

経営者が選考のどこに入るかは、会社の規模、採用人数、現場の面接体制によって変わります。自社の選考フローのどこに代表の時間を置くか、新卒と中途でどう分けるかを一緒に設計したい場合は、支援プランをご覧いただくか、無料相談(約30分〜・オンライン)で採用設計をご一緒させてください。現在の選考回次と担当者の並びを伺ったうえで、置きどころの案をお出しします。

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