大学に求人票をいつ、どう出すか。受付時期と様式を外さない
薬科大学に求人票を出そうと思い立ち、大学のサイトを開いたら「今年度の求人受付は終了しました」と書かれていた。あるいは、様式をダウンロードして記入したものの、別の大学では独自のWebシステムからの登録が必要で、同じ内容をもう一度打ち直すことになった。学校ルートを始めたばかりの薬局・ドラッグストアが最初にぶつかるのは、この「手続きの型が大学ごとに違う」という壁です。
求人票は、出しさえすれば学生の目に触れるわけではありません。受付時期・様式・掲載期間・その後の連絡という4つを年度のサイクルとして押さえておくと、翌年以降の負荷がぐっと下がります。この記事では、大学のキャリアセンターに求人票を出す実務を、時系列で整理します。
大学の求人票は「年度のサイクル」で動いている
多くの大学では、卒業予定者向けの求人を年度単位で受け付け、一定期間だけ学内に掲載します。受付の開始時期は大学によって異なり、年度初めに一斉に受け付ける大学もあれば、通年で随時受け付ける大学もあります。
問題は、開始時期を逃した場合です。随時受付の大学なら後からでも登録できますが、年度初めにまとめて受け付けて冊子やシステムに載せる運用の大学では、次の受付まで掲載されないことがあります。学生が求人を探し始める時期と、企業が「そろそろ動こうか」と思う時期にはズレが生じやすく、気づいたときには一年分の機会を落としている、という事態が起こります。
なお、新卒採用の広報・選考の開始時期に関する政府の要請や大学側の運用は年度によって変わるため、着手前に最新の要領を確認してください。薬学部6年制の学事との重ね方は薬学生の新卒採用スケジュール。6年制の学事と採用活動の重ね方で扱っています。
受付開始時期の調べ方と、最初に聞く項目
調べ方は3つです。ひとつは大学の就職・キャリア支援ページ。「企業の方へ」「求人申込」といった導線に、受付時期と提出方法が書かれていることが多くあります。ふたつめは前年度の求人票の控え。掲載期間の終期が書かれていれば、翌年の目安になります。みっつめは、キャリアセンターへ直接問い合わせることです。
問い合わせるときは、次の項目をまとめて確認すると一度で済みます。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 受付開始・締切の時期 | 年度初めか随時かで準備の前倒し幅が変わる |
| 提出方法(Web/紙/メール) | 様式づくりの手間が変わる |
| 指定様式の有無 | 独自様式か、共通様式かで記入項目が変わる |
| 掲載期間と掲載場所 | 学内システムか冊子か、閲覧できる学年はどこか |
| 更新・取り下げの連絡先と方法 | 充足後の対応を先に決めておく |
| 学内説明会・学内セミナーの申込時期 | 求人票と別枠で申込が必要な場合がある |
最後の項目は見落とされがちです。求人票の受付と学内説明会の枠の募集は別スケジュールで動くことがあり、求人票を出した時点で説明会の枠が埋まっていることもあります。詳しくは大学で自社単独の説明会を開くには。学内セミナーの申し込みから当日までを参照してください。
様式は違っても、中身は同じ。共通素材を先に作る
大学ごとに様式が違うことは変えられません。変えられるのは、どの様式にも貼り込める素材を先に持っておくことです。毎回ゼロから文章を考えるから時間がかかるのであって、素材が揃っていれば記入は転記作業になります。
用意しておきたいのは次のような素材です。それぞれ、文字数の制限に対応できるよう「長め(200字程度)」「短め(60字程度)」の2種類を作っておくと使い回せます。
- 会社概要と事業の特徴(店舗数、エリア、処方元の傾向)
- 募集職種・募集人数・勤務地の範囲と配属の決め方
- 初任給と手当の内訳、賞与・昇給の考え方
- 年間休日、勤務時間、休暇制度の実態
- 入社後の教育体制と、1年目に任せる業務の範囲
- 選考フロー(回数・形式・想定期間)
- 採用担当者の氏名・部署・連絡先(複数人を書いておくと不在時に途切れにくい)
求人票の記入欄は限られているため、書ききれない情報は別資料に逃がします。何を別資料に回すかは大学キャリアセンターに渡す資料を作る。求人票と別に必要なもので整理しています。
Web登録と紙提出、どちらで出すか
提出方法は大学が指定していることが多く、企業側が選べる余地は限られます。ただし「Webでも紙でも可」の大学もあるため、判断の目安を持っておくと迷いません。
| 提出方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 大学独自のWebシステム | 指定がある場合/毎年同じ大学に出す場合 | ID発行に数日かかることがある。担当者の異動でログイン情報が失われやすい |
| 汎用の求人受付サービス | 複数大学へ同じ内容を出す場合 | 大学側が使っているかを事前に確認する |
| 紙・PDFでの郵送/メール | 初めての大学/独自様式の指定がある場合 | 到着確認の連絡を自分から入れる |
Web登録は楽に見えますが、登録しただけでは大学側が内容を確認していない段階のこともあります。どの方法であれ、提出後に一報を入れる前提で考えておくのが無難です。
出して終わりにしない。掲載後の一報と、更新・取り下げ
求人票を出したあと、キャリアセンターへ短い連絡を入れます。内容は難しくありません。「求人票を提出しました」「掲載の可否と、学生への案内方法を教えてください」「学内説明会や合同説明会の機会があれば案内してほしい」の3点で足ります。この一報があるかないかで、担当者の記憶に残るかどうかが変わります。
そして、忘れられやすいのが更新と取り下げです。採用が充足したのに求人が掲載されたままだと、応募した学生に断りを入れることになり、大学の心証にも関わります。条件を変更した場合も同様で、古い条件のまま掲載されていると、後の説明で食い違いが生じます。
- 充足したとき:速やかに取り下げを連絡する
- 条件を変えたとき:差し替え版を送り、掲載内容の更新を依頼する
- 年度末:掲載終了の確認と、翌年度の受付時期をその場で聞いておく
この3つを採用担当の年間タスクに入れておくと、翌年の情報収集が不要になります。学校との関係づくり全体の順番は薬科大学・専門学校との接点がない会社が、最初にやることにまとめています。
求人票は、学校ルートの入口にすぎない
求人票を出すこと自体は1〜2時間の作業です。ただし、どの大学に出すか、どの時期に出すか、出したあとに何を続けるかまで含めると、年間の設計の一部になります。ここが決まっていないと、毎年「気づいたら受付が終わっていた」を繰り返すことになりがちです。
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