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管理薬剤師を外部から採る。求人の書き方と、任せる前に確認すること

管理薬剤師が退職を申し出た、あるいは新規開局が決まった。社内を見渡しても、任せられそうな人がいない。いても「まだ自信がない」と断られる。こうなると、外部から管理薬剤師を採るしかありません。

ところが「管理薬剤師募集」と書いた求人を出しても、応募が来ない、あるいは来ても話が噛み合わない。これは条件の問題というより、求人票が誰に向けて書かれているか決まっていないことが原因であることが多いです。社内で育てる方法は管理薬剤師の後任を、辞めると言われる前に用意するで整理しているので、この記事では外部から採る場合に絞って進めます。

「管理薬剤師募集」だけでは、届く相手が狭い

この書き方で反応するのは、いま他社で管理薬剤師をしている人に限られます。しかし管理薬剤師を任せられる人材は、実際にはもう少し広い範囲に存在します。

  • 現在は一般薬剤師だが、在籍店で発注や新人指導を事実上まかされている人
  • 過去に管理薬剤師の経験があり、転職や育児を機にいまは外れている人
  • 他社で管理薬剤師をしていて、権限の狭さや店舗規模に不満がある人

この3者は、求人票で刺さる言葉が違います。1人目には「管理薬剤師になりませんか」という誘いが要り、2人目には「ブランクがあっても再び任せる」という前提の提示が要り、3人目には「いまの店より何を任せるのか」という比較材料が要ります。「管理薬剤師募集(経験者)」とだけ書くと、1人目と2人目が自分宛てだと認識しません。

採用要件を絞る考え方そのものは薬剤師の採用要件を3つに絞るで扱っています。管理薬剤師の募集では、「管理経験」を必須に置くのか歓迎に置くのかを最初に決めてください。必須に置けば母集団は一気に狭くなります。

求人票で書き分ける4つの項目

管理薬剤師の求人で曖昧なまま出されやすいのが、次の4点です。

項目曖昧な書き方書き分けの例
着任時期「管理薬剤師候補」「入社後すぐ管理薬剤師として着任(即日)」/「6ヶ月間は一般薬剤師として業務を覚えたうえで交代」
権限の範囲「店舗運営をお任せします」「医薬品の発注・在庫管理は店舗判断。シフト作成は店舗、採用面接は本部同席。売上目標の設定は本部」
前任者の有無(書かない)「前任者は◯月まで在籍、引き継ぎ期間は◯週間」/「前任者は退職済み。本部薬剤師が週◯回入り立ち上げを支援」
処遇の根拠「管理薬剤師手当あり」「管理薬剤師手当◯万円/月。役職を外れた場合の扱いも面接時に説明」

とくに効くのが着任時期と権限の範囲です。即日着任なのか、半年の助走があるのかで、応募をためらう層が変わります。前者は現役の管理薬剤師に、後者は「やってみたいが不安」という層に届きます。両方を狙うなら、求人を分けて出すか、本文で「経験に応じて着任時期を相談」と明記したうえで、面接で一人ずつ合意するほうが混乱しません。

権限の範囲は、書くと応募が減ると心配されることがあります。しかし実際には、裁量の中身を書いた求人のほうが「いまの店より決められる」と感じてもらいやすくなります。中小ならではの強みの言語化は中小薬局が大手チェーンとの採用競争で勝てる場所はどこかも参考にしてください。

なお、管理薬剤師は薬機法上の役割であり、原則としてその薬局・店舗に常時勤務し、他の場所の業務を兼ねられない扱いになっています。細かな要件や例外の運用は自治体によって案内が異なる場合があるため、配置計画を固める前に所管の保健所・薬務課の最新の案内を必ず確認してください。

面接で聞くのは、法令知識より「何を自分で決めていたか」

管理薬剤師の面接で、薬機法上の責務を列挙できるかを試す質問をしても、あまり差がつきません。書籍や研修で答えられる内容だからです。見たいのは、前の店舗でその人が実際にどこまで自分で判断していたかという事実です。

質問は、意見ではなく行動を聞く形に変えます。

確認したいこと質問の例
発注・在庫の判断「不動在庫が出たとき、どの時点で誰が処分を決めていましたか」
人の問題への対処「スタッフ同士が揉めたとき、最後に判断したのはどなたでしたか」
数値への関与「店舗の売上や処方箋枚数の数字は、どの頻度で誰から共有されていましたか」
本部との線引き「本部に相談せず自分で決めてよかったことは何でしたか」
監査・指導対応「直近で行政の指導や立入があったとき、どの部分をご自身で対応されましたか」

「管理薬剤師をしていました」と答えた人でも、実態は名義上で、発注も人事も本部が決めていたというケースがあります。責めるべき話ではありませんが、自社で任せたい範囲とズレていれば、入社後に本人が苦しみます。質問の組み立て方全般は薬剤師の面接で何を聞くかにまとめています。

もう一点、必ず確認したいのが**「今回、どこまでやりたいと思っているか」**です。管理業務から離れたくて転職活動をしている人に管理薬剤師を打診すると、承諾されても長く続きません。

既存スタッフの上に外部の人を置くときの説明

外部採用の管理薬剤師がうまくいかない原因は、本人の力量より受け入れ側にあることが少なくありません。長く勤めている一般薬剤師や事務スタッフから見れば、ある日突然、知らない人が上に来る形になります。

入社前に、会社側で次の3点を決めておいてください。

  1. なぜ外部から採ったのかを、会社の言葉で説明する。 「社内に適任がいなかったから」とは言わず、「開局に合わせて管理経験のある人を入れた」「前任者の退職時期に間に合わせるため」といった事実を伝えます。社内に昇格を望んでいた人がいる場合は、個別に先に話します。
  2. 着任までの期間と、その間の指揮系統を明示する。 「最初の3ヶ月は現場を覚える期間。シフトと発注は従来どおり◯◯さんが担当」というように、いつ何が切り替わるかを書いて共有します。
  3. 既存スタッフへの処遇の説明を用意する。 外部採用は給与が高くなりやすく、在籍者との逆転が起きます。開示範囲の決め方は中途薬剤師に高く出すと、既存社員が辞めるで整理しています。

着任後は、本人に任せきりにせず、入社1ヶ月・3ヶ月のタイミングで経営側が店舗に入り、既存スタッフ側の受け止めを別途聞く場を作っておくと、こじれる前に手を打ちやすくなります。

外部採用は「席を埋める」だけでは終わらない

管理薬剤師の外部採用は、求人票・面接・受け入れの3つが揃って初めて機能します。人材紹介会社から候補者が来る場合も同じで、紹介は有効なチャネルですが、企業側の設計が曖昧なままだと入社後に崩れます。

自社の場合、どの範囲を任せ、どの時期に着任してもらい、既存スタッフにどう説明するか。この整理を一緒に進めたい方は、支援プランをご覧ください。無料相談(約30分〜・オンライン)で、現在の店舗体制と採用の状況をうかがいながら、採用設計をご一緒します。

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