薬剤師の求人媒体をどう選ぶか。掲載前に確認する4つの条件
「薬剤師の求人を出したいのですが、どの媒体がいいですか」という質問を受けることがあります。ただ、この問いには媒体名では答えられません。1店舗で1名を半年かけて探すのか、来春の出店に合わせて3名を3ヶ月で決めたいのかで、選ぶべき仕組みが変わるからです。媒体の良し悪しではなく、自社の採用人数と急ぎ度に合っているかどうかが判断の軸になります。
ここでは求人媒体を課金方式と候補者の温度で分類し、掲載を決める前に確認しておきたい4つの条件を整理します。特定の媒体名や料金の具体額は挙げません。金額は掲載枠・エリア・時期で変わるため、自社で見積りを取って比べるほうが確実です。
求人媒体は大きく3種類に分かれる
薬剤師の募集で使われるサービスは、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 主な課金方式 | 候補者の温度 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| 薬剤師・医療系の専門媒体 | 掲載課金(期間ごとの固定費)が中心 | 高い(薬剤師の求人だけを見に来ている) | 職種が明確で、継続的に募集を出す |
| 総合求人サイト | 掲載課金または応募課金 | 中程度(他職種と並んで比較される) | パート・事務・登録販売者も含めて募集する |
| 検索型サービス(求人情報を横断表示する仕組み) | クリック課金・応募課金が中心 | 幅がある(情報収集段階も混ざる) | 予算を細かく調整したい、急ぎで露出を増やしたい |
課金方式の違いは、そのままリスクの取り方の違いです。掲載課金は応募がゼロでも費用が発生しますが、期間内は何名採用しても追加費用が出ません。応募課金・クリック課金は動いた分だけの支払いですが、応募が集まると想定より膨らむことがあります。人材紹介はこの3種類とは別のチャネルで、決まったときに費用が発生する成功報酬型です。席を早く埋める手段としては有効なので、媒体と対立させるのではなく併用の比率で考えるほうが実務的です。
チャネルごとの費用を1人あたりに直して比べる手順は、紹介会社の手数料が重い。紹介依存を下げるための採用チャネルの組み立て方で整理しています。
条件1:採用人数と急ぎ度に課金方式が合っているか
まず、自社が「1名を確実に決めたい」のか「複数名を継続的に採りたい」のかを決めます。
年間で複数名を採る計画があるなら、掲載課金型の専門媒体は1人あたりの費用を下げやすい形です。逆に、欠員1名だけを埋めたい、しかも今月中に動きたいという状況で長期の掲載枠を買うと、費用が固定費として残ります。この場合は応募課金・クリック課金で短期に露出を集めるか、紹介を併用したほうが早いことが多いです。
判断の順番は「人数 → 期限 → 課金方式」で、媒体名は最後に来ます。 許容できる1人あたりの費用が分からないまま見積りを比べても、高いか安いかを判断できません。薬剤師1人を採るのにいくらかけていいか。採用単価の考え方を先に通しておくと、この後の交渉がやりやすくなります。
条件2:そのエリアに候補者がいるか
薬剤師の採用は商圏勝負です。全国の登録者数が多くても、自社店舗の通勤圏に候補者がいなければ応募は来ません。ここは媒体の資料に書かれていないことが多いので、営業担当に直接聞きます。
聞いておきたいのは次の3点です。
- そのエリア(市区町村または通勤圏)の登録者数と、直近の稼働状況。「登録は多いが直近3ヶ月で動いている人は少ない」という状態もあります
- 直近半年で、同じエリアに同職種の求人が何件掲載されているか。競合の掲載数が多いほど、同じ原稿では埋もれます
- 同エリア・同職種の平均的な応募数の目安。断言はできない前提でも、営業側は感覚値を持っています
答えられない、あるいは全国平均しか出てこない場合は、その媒体が自社の商圏に強くない可能性があります。答えを鵜呑みにする必要はありませんが、質問への反応の解像度は判断材料になります。
商圏そのものに薬剤師が少ないケースは、媒体選定より前の問題です。この場合は圏外から呼ぶ設計に切り替える必要があります。
条件3:原稿を後から直せるか
掲載開始後、応募が来ないときに動かせるのは原稿です。ここで確認したいのは、修正の自由度です。
- 掲載期間中、原稿の修正は何回まで無料か
- 修正の反映までに何営業日かかるか
- タイトルや冒頭文だけの部分修正が可能か、全面差し替えのみか
- 写真の追加・差し替えができるか
修正が1回だけ、反映に1週間かかる、といった条件だと、掲載期間の大半を最初の原稿で走り切ることになります。逆に修正が柔軟な媒体なら、2週間ごとにタイトルと冒頭を入れ替えて反応を見る運用ができます。
なお、直しても応募が来ない原稿には共通のパターンがあります。書き直す順番は薬剤師の求人票に応募が来ない。原稿を書き直す順番にまとめました。媒体を変える前に、原稿を1回書き直したほうが結果が変わることは珍しくありません。
条件4:効果判定の期間と指標を掲載前に決めているか
一番抜けやすいのがここです。掲載を始めてから「思ったより来ないですね」で終わらせると、次に何を変えればいいかが残りません。
判定は最低でも1ヶ月、できれば2ヶ月分のデータで行います。1〜2週間では、募集時期の偏りや競合の掲載状況に左右されすぎます。見る指標は応募数だけではなく、次のように工程ごとに分けます。
| 見る指標 | 悪いときに疑う場所 |
|---|---|
| 求人の表示回数・閲覧数 | 掲載枠、エリア設定、職種カテゴリの選び方 |
| 閲覧数に対する応募数 | 原稿(タイトル、冒頭、仕事内容、条件の書き方) |
| 応募から面接設定率 | 連絡スピード、初回連絡の文面 |
| 面接から内定・入社 | 選考設計、面接で伝えている内容 |
表示はされているのに応募がないなら媒体の問題ではなく原稿の問題です。表示自体が少ないなら掲載条件の設定を疑います。応募は来るが面接に至らないなら、媒体を変えても改善しません。
掲載前に「1ヶ月後にこの4つを見て、閲覧数が基準を下回ったら設定を、応募率が下回ったら原稿を直す」と決めておくと、判断が感覚で流れなくなります。
媒体の選定は、採用計画の一部として決める
媒体選定は単独で最適化できません。何人を、いつまでに、どの層から採るのかが決まっていないと、比較の基準そのものが立ちません。新卒の場合は学事スケジュールに縛られるため、媒体だけでなく学校まわりの計画と組み合わせて考える必要があります(薬局・ドラッグストアが初めて新卒採用を始めるときの進め方)。
Talencoでは、採用人数と期限の整理から媒体・チャネルの組み合わせ、原稿と効果判定の設計までを一緒に組み立てています。支援の形は、実務は自社で進めて設計と実行管理を当社が担う「伴走コンサルティング」と、実務まで一貫して対応する「フルサポート」の2種類です。費用は人数・期間・体制によって変わるため、状況をお聞きしてからお見積りします。
支援プランの内容をご確認のうえ、まずは無料相談(約30分〜・オンライン)で採用設計をご一緒するところから始めてみてください。