薬学生向けの新卒就職サイトに載せるべきか。掲載を決める前の判断
新卒採用を始めようと決めた薬局・ドラッグストアに、春から夏にかけて媒体の営業連絡が届きます。「薬学生の登録者が何万人」「今なら早期掲載枠が」といった案内を受け取って、載せるべきかどうか判断がつかないまま見積書を眺めている——そんな状態の方に向けた記事です。
新卒のナビ媒体は、中途の求人サイトとは別の商品です。中途は「いま転職したい人」が検索して応募する場ですが、新卒は「まだ何も決めていない学生」が一斉に登録し、企業側から働きかける場になります。同じ「求人媒体」という言葉でも、使い方も効きどころも違います。中途媒体の選び方は薬剤師の求人媒体をどう選ぶか。掲載前に確認する4つの条件で整理しているので、そちらと分けて考えてください。
新卒ナビ媒体は3種類に分けて考える
薬学生に届く「サイト」と呼ばれるものは、性質の異なる3つが混ざっています。媒体名ではなく、課金方式と学生の見つかり方で分けると判断しやすくなります。
| 種類 | 課金方式の傾向 | 学生がどう見つけるか | 中小との相性 |
|---|---|---|---|
| 総合ナビ媒体 | 期間掲載型(年単位のプラン制が多い) | 業種・地域で検索、企業からのDM | 掲載数が多く単独では埋もれやすい |
| 薬学生専門サイト | 期間掲載型または成果連動型 | 薬学部生に絞られた母集団から検索・DM | 母集団は小さいが職種が合致しやすい |
| 大学の就職支援システム | 無料または低額(大学ごとに異なる) | キャリアセンター経由・学内掲示 | 接点のある学校に絞れば機能しやすい |
総合ナビ媒体は全業種の学生が集まるため、登録者の総数は大きくなります。ただしその中で薬学部生がどれだけいるか、さらに自社の商圏に通える学生がどれだけいるかを考えると、実際に届く範囲はかなり絞られます。加えて、検索結果の表示順や特集枠は上位プランの企業が占めやすく、基本プランで掲載しただけでは学生の画面に現れないという構造があります。
薬学生専門サイトは母集団そのものが薬学部生です。総数は総合ナビより小さくても、母数のうち自社の対象になる割合は高くなります。大学の就職支援システムは、すでに訪問実績のある学校であれば低コストで求人を届けられる経路です。ただし学校側の運用に依存するため、学校との関係づくりが前提になります。この点は薬科大学・専門学校との接点がない会社が、最初にやることで扱っています。
掲載を決める前に営業へ確認する質問
媒体の営業担当は、全体の登録者数や導入企業数を提示してきます。知りたいのはそこではなく、自社に関係する範囲の数字です。次の4点は契約前に聞いてください。
1. 薬学部・薬科大学の登録者はどれくらいいるか 全学部合計ではなく、薬学系の登録者数です。さらに「自社の商圏から通える大学」に限った数まで聞けると、期待値の置き方が現実的になります。答えられない場合は、その媒体で薬学生を狙う設計になっていない可能性があります。
2. 同エリアで同業が何社掲載しているか 競合の掲載数は、学生の検索結果で自社がどこに並ぶかを推測する材料になります。大手チェーンが上位プランで並んでいる中に基本プランで入るなら、検索経由の応募はあまり見込めない前提で計画を立てることになります。
3. 掲載原稿は何回更新できるか 新卒採用は年をまたぐ長期戦です。説明会日程の追加、選考の再募集など、途中で原稿を差し替えたい場面が出ます。更新回数に上限があるか、更新に追加費用がかかるか、自社で編集できるかを確認します。
4. DM(スカウト)は何通送れるか、誰が送るか 中小が新卒ナビで成果を出す場合、検索されて応募が来るよりも、企業側から個別に送る経路のほうが動くことがあります。送信上限、対象の絞り込み条件、文面の作成支援の有無を聞いてください。送る運用を誰が担うかを社内で決められないなら、その機能は使われずに終わります。文面の考え方は薬剤師にスカウトを送る。返信が来る文面と、送る前に決めることが参考になります。
掲載するなら「受け皿」として位置づける
中小が新卒ナビに載せる意味は、待っていれば応募が来ることではなく、他の接点で興味を持った学生が自社を確認しにくる場所を用意することにあります。
学内説明会で話を聞いた学生、実務実習で店舗に来た学生、先輩からの口コミで社名を知った学生は、その場で応募するわけではありません。多くは後日、名前で検索するか、登録しているナビ媒体で企業ページを探します。そのときにページが存在しない、あるいは情報が薄いと、そこで比較から外れます。
この前提に立つと、掲載後にやることが変わります。
| 位置づけ | 掲載後の主な動き | 効果の測り方 |
|---|---|---|
| 母集団獲得の主力 | 検索対策・上位プラン・DM大量送信 | 媒体経由のエントリー数 |
| 学校開拓と説明会の受け皿 | 学内説明会・訪問と同時期に原稿更新、説明会日程を掲載 | 説明会参加者のうち媒体ページを見た割合 |
中小の場合は、後者から始めるほうが説明がつきやすいことが多いです。媒体単体の応募数で費用対効果を判定すると、初年度は数字が立たず「効果がなかった」で終わりがちですが、学校訪問や説明会と組み合わせた全体で見れば役割は残ります。
同時に、媒体だけでは埋まらない部分があることも前提にしてください。新卒の母集団づくりは、ナビ媒体・学校ルート・実習・合同説明会・紹介会社といった複数の経路を併走させる設計になります。何人採るためにどれだけの接点が必要かは新卒採用の数値逆算。目標入社数から母集団を設計する方法で整理しています。
掲載を見送ってよい場合
次のいずれかに当てはまるなら、初年度は掲載を見送り、別の経路に予算を回す判断もあります。
- 説明会の開催日程も内容もまだ決まっていない
- 原稿を書き、問い合わせに返信する担当を社内で決められていない
- 商圏内に薬科大学がなく、学校ルートも未着手
- 採用人数が1名で、学校ルートだけで接点が持てる見込みがある
媒体は接点を増やす道具であって、受け入れ側の準備が整っていないと、エントリーが来ても返信が遅れて離脱します。応募後の対応設計は応募後に連絡が取れない・面接に来ない。一次接触の設計を見直すを先に確認しておくと、掲載開始後に慌てずに済みます。
まとめ
新卒ナビ媒体は、総合ナビ・薬学生専門サイト・大学の就職支援システムで性質が異なります。判断材料は総登録者数ではなく、薬学部登録者の規模、同エリアの同業掲載数、原稿更新の回数、DM送信の条件です。そのうえで、中小は媒体を母集団獲得の主力ではなく、学校開拓と説明会告知の受け皿として位置づけるほうが、投じた費用の意味を説明しやすくなります。
どの媒体に載せるかは、年間の採用スケジュールと学校まわりの計画が決まってから判断する順番になります。Talencoでは、新卒・中途いずれについても、ターゲット設定から媒体選定、説明会・選考・内定フォローまでを一緒に設計しています。支援の形は支援プランをご覧ください。掲載の可否を決める前の段階でも構いませんので、まずは無料相談(約30分〜・オンライン)で採用設計をご一緒させてください。